工業熱力学演習問題 平成 26 年 11 月 27 日 (木) 各問題は 10 点。 【問題 1】 ◦ 温度 60.0 C で、乾き度 x =0.700 の蒸気がある。この蒸気 1kg 当りの容積と エンタルピを求めよ。 【問題 2】 ◦ 圧力 1.50MPa,温度 450 C の過熱蒸気 (エンタルピは 3.36MJ/kg, エントロ ピは 7.42kJ/kgK) が 10.0kPa まで可逆断熱膨張して、膨張後の蒸気の乾き度 x が 0.904 となった。断熱熱落差 (h2 − h1 ) kJ/kg はいくらか。 【問題 3】 ◦ ◦ 圧力 2.00MPa,温度 450 C の過熱蒸気がタービン内部で復水器で温度 34.0 C まで膨張する。この時の断熱熱落差を求めよ。 工業熱力学演習問題解説 平成 26 年 11 月 27 日 (木) 【解説 1】 ◦ そのまま飽和蒸気表から,60.0 C での v ′ , v ′′ m3 /kg, h′ , h′′ J/kg を読み出し、 v = (1 − x)v ′ + xv ′′ , h = (1 − x)h′ + xh′′ で計算すれば良い。 比容積は 5.37m3 /kg, エンタルピは 1.90MJ/kg 【解説 2】 不可逆熱変化では x2 をそのまま用いて計算すればよい。温度は膨張後が湿り 蒸気であるので,飽和蒸気温度となり、エンタルピは,h2 = (x2 − 1)h′ + x2 h” である。これからエンタルピ落差は ∆h = h2 − h1 である。 蒸気の乾き度 0.904,エンタルピ落差は,∆h =1.01MJ/kg 【解説 3】 ◦ 圧力 2.00MPa,温度 450 C の過熱蒸気のエンタルピは,h1 =3.36MJ/kg,エ ◦ ントロピは s1 = 7.28kJ/kgK である。この蒸気が可逆断熱膨張して,34.0 C ◦ になると、s2 = s1 であるから 36 C での飽和蒸気表を用いて,乾き度は x= s2 − s′ s” − s′ で計算する。計算すると x = 0.862 となり、この x を用いて,h2 = (1 − x)h′ + xh” として、膨張後のエンタルピを求める。 断熱熱落差は 1.13kJ/kg である。
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