iCAP 7400 ICP発光分光分析装置による不純物元素の迅速分析性能

Technical Note EL14006
iCAP 7400 ICP発光分光分析装置による
不純物元素の迅速分析性能
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社
キーワード
装置と機器構成
ICP-OES /迅速分析/精度管理/安定性
iCAP 7400 Duoモデルを使用しました。主な試料導入系の構成
と、機器パラメーターを表1に示します。不純物元素の測定には
概要
このテクニカルノートでは、
Thermo Scientific™ iCAP™ 7400を用いた迅速分析に
軸方向測光を用いました。
ついて、
その検出性能と安定性を報告します。
表 2 .メソッド検出限界
試験の目的
代表的な不純物金属元素12元素について、迅速分析条件を設定
し、メソッド検出限界を求めました。また、未知試料を100検体連
続測定して、約3時間の安定性を評価しました。
測定試料
下記の試料を調製しました。
・ブランク試料:HNO31%液性
・標準試料:HNO31%液性に Al, B, Cd, Co, Cr, Cu, Fe, Mn,
Ni, Pb, Ti, Zn(0.1, 0.5, 1.0 mg/L )を添加
元素
波長 (nm)
MDL (µg/L)
Al
B
Cd
Co
Cr
Cu
Fe
Mn
Ni
Pb
Ti
Zn
396.152
249.773
214.438
228.616
267.716
324.754
259.940
257.610
221.647
220.353
323 .452
213 .856
1.8
1.2
0.3
1.2
1.5
1.2
0.9
0.3
1.8
7.5
1.2
0.6
・未 知 試料:HNO31%液性に Al, B, Cd, Co, Cr, Cu, Fe, Mn,
Ni, Pb, Ti, Zn(0.1 mg/L )を添加
内標準元素としてすべての試料に Y(0.1 mg/L )を添加
試験内容と手順
①メソッド検出限界調査
ブランク、0.1 mg/L、0.5 mg/L、1.0 mg/L標準試料の4点で検
表1.メソッドパラメーター
パラメーター
設定
高周波出力
1150 W
プラズマガス流量
12 L/min
補助ガス流量
0.5 L/min
ネブライザーガス流量
0.45 L/min
試料置換時間
40秒
洗浄時間
20秒
測光方向
軸方向
積分時間
3秒
繰り返し測定回数
n=3
ネブライザー
スプレーチャンバー
センターチューブ
高塩濃度用(エアロサルト)
水溶液試料用(サイクロンチャンバー)
高塩濃度用 2 mm
量線を作成後、ブランクの10回繰り返し測定を行い、メソッド検
出限界(3 σ)を算出しました。
②安定性試験
未知試料を100検体連続測定して安定性を確認しました。また、
QC標準試料として、0.5 mg/Lを10検体ごとに測定し回収率を確
認しました。
まとめ
①メソッド検出限界調査
iCAP 7000シ リ ーズ ICP-OES は、迅 速 分 析においても 非
表 2に、各元素の測定波長とメソッド検出限界(n=10のブランク
常に 優れた 検 出 性 能と 安 定 性を 提 供するだ け で は なく、
測定の3 σ)を示します。積分時間3秒に対し、いずれの元素にお
Thermo Scientific Qtegra™ソフトウェアの精度管理機能によ
いても µg/Lオーダーの検出限界値が得られました。オートサンプ
り測定結果を視覚的に捉えやすくして、測定者への安心感をもた
ラーを用いた1検体あたりの分析に要する時間は試料置換時間、
らします。
Technical Note EL14006
結果
洗浄時間を含めて92秒でした。
②安定性試験結果
図1に、測定全体における内標準元素 Yの回収率、および QC標準
試料(0.5 mg/L )の Pbの回収率を示します。測定全体における
内標準元素の相対標準偏差(RSD )
は0.7%、
未知試料0.1 mg/L
の各元素の定量値の相対標準偏差(RSD )は2 %未満でした。
図1. 連続試験における内標準元素(Y )の回収率および QC標準試料(0 .5 mg/L )の Pbの回収率(% )
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