〝代替手段〟で導入する市町村が増加/住民ニーズを反映しながら

人を 割
人に届かず、中
人と
されたことで、 年度には交通の
れている。二つの交通手段が整備
くちあいのりタクシー」が運行さ
から事前予約制乗合タクシー「き
網と路線バスの見直しそれぞれに
新しい公共交通体 系の導入に
あたっては、市街地における交通
れば市の財 政 負 担が軽 減
たのが「バスとタクシーのすみ分
課題を解決するために考え出され
生まれた」
(市企画振興課)と言う。 ることによる児童や生徒の安全性
されるのではないかという発想が
けの転換」
(同課)だった。その内
る場合、一般の乗客と乗り合わせ
空白地帯がほぼ解消された。
課題が想定された。前者について
容は、市街地で巡回バスを運行し、
り、理解が得にくいのではないか
を巡回する 次交通が必要だった。 クシー事業者と競合することにな
りに乗合タクシーを運行する交通
郊外では路線バスを廃止する代わ
の確保が不安視された。こうした
かつて市内のバス路線は、市街
地と郊外地とを結ぶ放射状に運
は、コミュニティーバスが複数のタ
そこで、市街地循環型のコミュニ
体系に改めるというものだった。
乗車
という点が指摘された。後者に関
べん り カ ーの 運 賃 は
ティーバス運 行の検 討 が始 まっ
32
Zaikai Kyushu / FEB.2015
赤字バスの
〝代替手段〟
で導入する市町村が増加
密 度が
には ・
り込んだ路線もあった。赤
字 路 線への補 助 金は年 間
ら先に枝 分かれする集 落
2600万円に達していた。
熊本県菊池市では、中心市街
地における交通網の整備と、郊外
を運行するスクールバスに
線バスを廃止し、スクール
を支出していた。そこで
「路
さらに、路線バスの終点か
地と市街地とを結ぶ路線バスの見
も、市は年間2600万円
年
月から市街地循環バス「きくちべ
系の見直しが図られた。
直しが必要との判断から交通体
発想の転換で再構築
赤字幅が大幅に縮小
―熊本県菊池市
1
2
住民ニーズを反映しながら
「利便性追求」
コミュニティーバス
各自治体で導入が進むコミュニティーバスも、地域の
足を支える重要な役割を果たしている。
という観点から、地域住民が日常的に利用する移動手
段の確保が必要であることは言うまでもない。近年、
6
行されており、中心部では市街地
10
地域の
も、人口減少の進展により、公共交通を取り巻く環境
は厳しさを増している。それでも行政サービスの拡充
0
バスを一般向けにも開放す
6
んりカー」が運行され、 年 月
04
06
しては、スクールバスを一般開放す
12
た。他方、路線バスは、平均乗車
1
2
変 わっていく
赤字路線バスを維持するために運行補助金を支出
することは各市町村にとって大きな負担である。しか
BUS
TAXI
RAILWAY
熊本県菊池市は、
2006年10月から市街地を巡回する
「べんりカー」
を運行している
「べんりカー 」と結
節する事前予約制
乗合タクシー「あい
のりタクシー」
100円(子どもと障がい者など
は 円)で、東回りと西回りの
コースがあり、運行は熊本電鉄に
ャンボで使い分ける―などがある。 武雄市と佐世保市を結ぶ路線バス
運賃は乗車区間によって異なるが、 を利用していたが、利用者の低迷
年に廃止された。それに
人、運行補助金は1000万円程
入した。それから 年後に有田町
伴い、町がコミュニティーバスを導
回当たり200〜1200円だ。 により
年の利用者数は約 万1400
㌔で、停留所は カ所ある。始発
時
と西有田町が合併したことに伴い、
は、東回りが
分で、 分間隔で運行
日運行しているコミュニティーバス
は「事業成立までの時間が限られ
県の補助事業を活用しなかったの
る」
(同課)と言 う。また、国や
単、安いなど感謝の声が増えてい
のりタクシー導入後は、便利で簡
路線バス廃止の際には地域住民
からの反対意見もあったが「あい
り、委託料は年間3200万円だ
バス3台を運行していたこともあ
委 託 料は毎 年 変わる。
の運行は西肥バスに委託しており、
線が基幹路線となっている。バス
ー、有田駅前で、それらを結ぶ路
運賃は一律200円だ。主な拠
点は町 役場 前と福 祉 保 健センタ
し、 周の所要時間は約 分だ。
人で成
ており、事業者との調整ができて
便当たりの利用者は初年度
の 年が ・ 人だったが、 年
目以降は
年 度は ・
人前後で推移し、
13
2
人だ。地方部で終
の場合、平均 乗車数は
年には
功と言われる中で同市の利用 率
ったが、 年はバス2台に減らし
路線を拡大している。
6
いない中で決定を急げば、路線の
3
は極めて高い。一方、運行補助金
1
見 直しなど、その後の事 業 運 営
時
30
年 度が635万円で、近 年
が
8
90
9
1
は
たため、2350万円に減少した。
年が
ちなみに利用料 総収入は
月には全国の市町村としては初め
自治体も参考になる多くのヒント
した持続可能な交通体系は、他の
ら」だ。市が全て〝自前〟で構築
年に6万5000人だ
ただ、
った利用者は 年6万4000人、
円を町が負担したことになる。
570万円で、差額の2630万
一連の成果が評価されて、 年
て、国土交通大臣賞を受賞した。
があると言える。
拡充が図られ、現在は コースで
年6万2800人と徐々に減少
している。町まちづくり課は「バ
ス利用の対象者となる高齢者は増
えるだろうが、その大半は自家用
車を所有している。特に元気な高
の手段になっており、バス利用者の
3
齢者は、自家用車が日常的な外出
有田焼で有名な佐賀県有田町
では、九州でも比較的早くコミュ
往復③隔日
増加は見込めない」と予測する。
日
ニティーバスが導入された。もと
本数は最大で
運行だが予約があれば全て対応
平日の路線維持のため
休日は観光路線に変更
―佐賀県有田町
11
ただ、町のコミュニティーバスの
1
宅から目的地までの運行 ② 運行
10
もと町民は、西肥バスが運行する
運行されている。その特徴は①自
5
12
6
13
べんりカーと結節しているあい
のりタクシーは、 年 月から
10
コースで運行が開始されて以降、
06
10
は600万円程度で推移している。 に支障を来すことも考えられたか
3
13
85
以下に減少した。
度で、事業開始前と比べて 分の
委託している。走行距離は ・
13 1
2
1
分、西回り
21
00
14
11 8
12
④ 予約に応じて車 両を小型とジ
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13
49
1
50
9
1
04 1
04
2
住民ニーズを反映しながら路線の
「あいのりタクシー」
は利用者数に応じて小型とジャンボ
タクシーを使い分けている
佐賀県有田町のコミュニティーバスは、休日、観光路線バスになる
特徴は休日に観光用路線に切り
手を確保。従来からの4路線をほ
ぼ維持しながら、これまで 年間
祉保健センターなどには停車しな
に停車し、逆に平日利用が多い福
など平日には停車しない観光施設
ーセリングパークや有田焼卸団地
いう。日常の町民生活の足をどの
れていないということも課題だと
できず、交通空白地をカバーしき
また、きめ細かなサービスが提供
ト増や運転士不足が懸念される。
を行っている。
クールバスとして通学専用の運行
円から600円で、一部区間はス
賃は路線バス時代と同様、100
にわたり、自ら運営している。運
コミュニティーバスもデマンドタ
クシーも、燃料費高騰によるコス
い。この観光路線の利用者の割合
ように維持していくか、さらなる
それでも、経営環境が好転して
いるわけではない。ピーク時は年
替わることだ。同路線は、有田ポ
は全体の1割に満たないが、同町
取り組みが求められる。
間 万5000人だった利用者は、
は「観光パンフレットに時刻表を
入れたり、車内で観光アナウンス
を流すなど、何らかの形で利用者
を増やせるのでは」と力を込める。
年には有田焼創業400年事
年度には8万人にまで減少して
いるからだ。これに伴い事業収入
も減少する一方で、燃料費の高騰
も力を入れている。バス路線が廃
じて運行するデマンドタクシーに
他方、町は、自宅や目的地から
指定の場所まで利用者の要望に応
スを運行していた。ところが、利
もともと西鉄の子会社である二
豊交通というバス会社が、路線バ
欠の地域だ。
心地を結ぶ交通手段が必要不可
の谷間に集落があり、各集落と中
福岡県の東端に位置する豊前
市は人口約2万7000人。四つ
員が行い、そこに防災の職務も加
ット作成、運行管理はすべて市職
また、市職員の負担も増えてい
る。これまでバス停の管理やチケ
コスト削減は難しい状況だ。
床バスなどヘの更新も控えており
ているが、今後は高齢者向けの低
るべく、バスの小型化などに努め
もあり市の負担は増加傾向にあ
4月から運行を行っている。主な
用数の低迷により、路線維持のた
わっている。市交通防災係は「職
線の見直しなどの意見も出ている
に撤退を余儀なくされた。その際、 運行するデマンドバスの導入や路
200円だ。利用者は1日平均
クシー料金をベースにして、収入
市民の生活の足を守るために市が
ほか、利用者からは他のバスとの
る。そうした中でコスト削減を図
コースは二つで、運賃は一回あたり
め市の補助金は増化の一途をたど
務として厳しい状況」と話す。議
年
人程度だが、料金の安さが好評で
った。それでも利用者の低迷に歯
止された大村地区に限り、
増加の傾向にある。タクシー会社
会からは、利用者の要求に応じて
を差し引いた金額を市が補塡する
とった手段は、路線バスを自ら運
ほてん
方法をとっている。町は「ニーズ
営することだった。
い」
(同まちづくり課)としている。 市は当初、西鉄OBなどの運転
た要望も出ている。今後の市の財
乗り継ぎを改善して欲しいといっ
がある限り、今後も続けていきた
02
14
5
34
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年
市が路線バス区間を継承
維持のためあの手この手
―福岡県豊前市
12
13
止めが掛からず、結果的に
せることも視野に入れている。
業が控えており、それとリンクさ
16
2社が月交替で運行しており、タ
福岡県豊前市は、路線バスの路線網を継承してコミュニ
ティーバスを運行している
「くいまーる」のバス停。
イメー ジ キャラクター
「じゃんかん君」が目印
になっている
宮崎県都城市のコミュニティーバス
「くいまーる」
検討した。その報告を受けて 年
どのように公共交通を維持してい
と照らし合わせながら、将来的に
は、町民の公募から選ばれた。地
なみに「くいまーる」という名称
バス再編の計画書を策定した。ち
で、利用者ニーズを踏まえた地域
度に「地域バス再編検討委員会」
のダイヤであるため昼間の運行へ
主な目的とするコースは朝夕だけ
た」という声がある半面、通学を
への買い物などの利便性が高まっ
ース設定により通学や通院、町内
る。利用者からは「きめ細かいコ
ため、その差額は町が負担してい
くのかの岐路に立たされていると
元の方言で「車」を表す「くいま」
の要望もある。町総務企画課は
「今
政状況や市職員の職務環境など
言えそうだ。
と、
バスが循環するイメージの「ま
後も住民の意見を運行に反映させ、
ュニティーバスが運行されている。
援コース」で、毎日朝と夕方に運
通学支援を目的とする「通学支
スのほかデマンド型交通の調査や
合わせて、県もコミュニティーバ
国が 年度に赤字分の半額を
助 成する事 業を開 始したことに
ている。うち コースは中学生の
月か
行している。他の コースは、集
年
らコミュニティーバス「くいまー
落と町の中心部とを結ぶ「生活
そのうち三股町は、
る」を運行している。運行開始の
支援コース」で、週1〜 日運行
実証運行に必要な費用の
市町村、 年度に
市
を補助する事業を実施し、
年度に
11
2
14
市町村が新たな公共交通
同伴の未 就 学児は無料)で、
い。 年度は、既存路線の見直し
ュニティーバスへの補助制度はな
えて
1600万円)中、宮崎交通から
カ月2000円(家族購入の場合、 体系を整備したが、運行中のコミ
人目は1000円)のフリーパ
ス券もある。 人乗りバス 台と
に必要な調査事業費やルート変
更の際の運航費に対して 分の
人乗りワゴンタイプの車両 台
で運行している。
はなかった。宮崎県内でも、地域
(現金122万円、フリーパスが
系の拡充が図られているが、抜本
の足を守る手段として公共交通体
地区で座談会を開催するなど、住
収入は 万円程度だ。一方、支出
況が続いている。
的な解決策を見出すのは難しい状
万円)で、 カ月当たりの事業
を補助しているが利用する市町村
1
ために代替バスの運行が必要とな
1
1
事業開始以降、収入は着実に増
加している。 年度は176万円
2
ったからだった。
町は 年度に巡回バスの導入に
ついて専門部会の分科会で協議を
重ねた。 年度には、バスや施設
の利用者、中学生などを対象にア
2
6
13
2
は毎月120〜140万円掛かる
ンケートを実施したほか、町内
37
11
1
ことに伴い、町民の足を確保する
路線バスの撤退が申し入れられた
町村が利用した。この成果を踏ま
12
1
4
11
13
3
分の
きっかけは、路線バスを維持する
( 日 ・ 往復)している。運
使い勝手の高いコミュニティーバス
ーる」が組み合わされている。
町民の意向反映して
巡回バスの路線決定
―宮崎県三股町
を目指したい」と語る。
06
くいまーるは、町内全域を運行
区間として、全 コースを設定し
宮崎県内は、全 市町村のう
ち門川町を除く 市町村でコミ
7
ための助成金が年々増加し町財政
5
賃は 回当たり100円(保護者
4
4
の負担となっていた( 年度は約
1
1
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3
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民の意向を反映したコース設定を
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